もしも私が街頭で人相占いをしたら、相手が黙っていても、相手の体調や過去のことをかなり当てられると思います。

人相は、その人が生れながらに持っているものだけでなく、日々の生活習慣や環境の影響などによって年月とともに作られていくものだからです。

実際に私は、患者さんを診る時には、皮膚科用の拡大鏡で患部をまじまじと観察します。さらに、手でふれて熱の有無を確認します。拡大鏡で肌をクローズアップしてみると、トラブルの原因が表皮で起きているだけなのか、もっと深い真皮に及んでいるのか、あるいは血管レベルで起きているのか、ほぼわかります。

私はこの、五感と六感のひらめきに、医学的理論と経験値を総動員した診察法を直観健康法と呼んでいて、診察やカウンセリングでフル活用しています。直観健康法で皮膚にふれて、胃がんの早期発見につながったケースもありますし、精密な医療機器をはるかに超える力が、人間の直観にはあるということなんだと思います。

顔にも全身に関連したツボがある

東洋医学では、私たちの身体には、生きるためのエネルギーである気・血・水が流れていると考えます。この気と血が流れているのが、身体中にはりめぐらされている経絡(けいらく)です。いわゆるツボとは、経絡上にある気の出入り口のことを指します。

この経絡にはそれぞれに対応する内臓があり、連絡しあっています。足つぼマッサージをしたら胃の調子がよくなったり、手のひらのツボ押しをしたら、眠気がすっきりすることがあるのは、足にも胃腸につながる経絡のツボがあるからです。

そして同じように、顔にも全身に関連したツボがあります。そのため身体のどこかに不調があると、それに対応した顔のツボ付近になんらかのシグナルが現れます。

例えば、口の周りの赤いニキビは胃腸機能の乱れ。あごやフェイスラインのニキビは、ホルモンバランスの乱れや胃腸機能の衰えが原因。舌を見て、舌先が赤ければ、風邪をひいているか、ストレスが溜まっているか、心臓病のいずれかの原因が考えれます。

肌を見れば、その人の身体全体のことが観えてくるのです。

あなたはどのタイプ?体質をチェックしてみよう

ここでは、直観健康法を使って簡単に体質をチェックする方法をご紹介します。今の自分の体質がわかると、健康維持のために、日々の生活でどういったことを意識すれば良いかもわかってきます。

直観健康法では、東洋医学の基本「陰陽五行説」をもとに、体質を色別に「青=肝」「赤=心」「黄=脾」「白=肺」「黒=腎」の5タイプに分けていきます。
※この五臓(肝、心、脾、肺、腎)は、西洋医学の臓器とは異なります。

以下の項目をチェックし、あなたに当てはまった項目が最も多かったものが、あなたの体質タイプです。では、早速チェックしてみましょう。

タイプ別体質チェック項目

青タイプ(肝)

□ 顔色が青い。特に目の周り、眉間、こめかみなどの静脈が透けて見える。
□ 白目が青みがかっている。
□ 怒りっぽい。あるいは抑うつ状態。
□ 筋肉がこわばったり、足がつりやすい。
□ 目が疲れやすい。
□ 春先など季節の変わり目に体調をくずしやすい。

赤タイプ(心)

□ 赤ら顔。
□ 額の真ん中や、鼻先、舌先が赤い。
□ 赤いニキビや湿疹が顔に多い。
□ ストレスが多い。
□ 寝つきが悪い。
□ 動悸がする、血圧が高いことがある。

黄タイプ(脾)

□ 顔、手足が黄色っぽい。目が黄色くなる場合も。
□ 肌に触れると弾力がない。
□ 口元にトラブルがよく起こる。
□ 貧血を起こしやすい。
□ 甘いものばかり食べたくなる。
□ 立ちくらみ、めまいを起こしやすい。

白タイプ(肺)

□ 肌がカサついている。
□ 顔色が色白というより青白い。
□ 皮膚病を起こしやすい。
□ 呼吸器が弱い。
□ スタミナに欠ける。
□ 風邪が治りにくい。

黒タイプ(腎)

□ 顔色がどす黒い。
□ 顔に黒い影のようなものが見える。
□ 髪質が悪い。
□ 歯の質が悪い。
□ 耳が悪い。耳鳴りや難聴などがある。
□ 冷えが強い。

体質タイプ別アドバイス

いかがでしたか?チェックの合計数が多かったのがあなたの体質タイプです。ここからは、体質タイプ別の性格の傾向や、日々の生活で意識すると良いポイントについて解説していきます。

ほとんどの方は、ひとつのタイプに偏るのではなく、合計数が同じ色タイプが複数あるはずです。その場合は、その両方のタイプのアドバイスを参考にしてみてください。

青タイプの人

青タイプの人は努力家で負けん気が強いため、達成力が高く、自分の持てる力をフルに発揮してがんばります。その一方で、がんばりすぎてストレスがたまりやすく、自律神経が乱れがちです。日頃から「気」を張っているため、季節の変わり目に体調を崩すこともあるようです。

仕事の合間に軽くストレッチをしたり、近所を時々ぶらぶら散歩するなど、適度な運動を心がけたり、お笑い番組などを見て積極的にゲラゲラ笑うのがお勧めです。また、筋肉をゆるめるタイ料理やカレーなど、スパイスっぽいものや酸っぱいものを好む傾向がありますが、刺激物のとりすぎは控えるようにしましょう。

赤タイプの人

赤タイプは努力家で気配りができるこまやかなタイプですが、その反面、悩みを抱えてくよくよしがちです。つらいニュースを見たり、悪い方に思考が向いてしまう時は、自分で意識的にネガティブな思考を断ち切って、ストレスを軽減することを心がけましょう。

また、興奮しやすく、熱がこもりやすいので、夏の暑さが苦手です。入浴の際も熱すぎるお湯ではなく、ぬるめのお湯がおすすめです。
コーヒーや香辛料、栄養ドリンクなどの強壮剤などを好む傾向がありますが、カフェインやアルコール、刺激物もできるだけ控えるようにしましょう。

黄タイプの人

黄タイプは物事を深く熟慮するのが得意で、ぼーっと考え事にふけっていることがよくあります。代謝がよくなく、暴飲暴食する傾向があるので、メタボ体型になる人も少なくありません。むくみやすい傾向があり、肌に弾力がなく、年齢不相応なたるみが見られたりします。

胃腸が強くないため、甘いものや糖分の多いお酒(ビールや日本酒)は控えめに。また冷え症が多いので、飲み物はできるだけ常温や温かいものを選び、腹巻やレッグウォーマーなどでお腹や足首を温めることを心がけてください。

黄タイプは他の色タイプと一緒になって症状が出ることが多いので、本当は黄タイプなのに青タイプと勘違いされ、誤った漢方薬を処方されることがあります。漢方薬が効かない場合は、「漢方何てダメだ」と決め付けず、自分に合うものに処方しなおしてもらうよう医師に相談しましょう。

白タイプの人

白タイプは心も身体も弱く、泣き虫で、しょっちゅう風邪をひいて寝込んだりします。汗をかきにくく、水分代謝がよくないため、皮膚病をおこしやすい傾向があります。アレルギーも起こしやすく、子どもの頃にぜんそくを発症し、アトピー、花粉症など、いわゆる「アレルギーマーチ」と呼ばれる状況に陥る人が多いのもこの白タイプです。

白タイプの人は、冷たいものをとるのを控え、飲み物はできるだけ常温でいただくようにしましょう。また、湯船に毎日つかって汗をたっぷりかき、体内にたまりがちな余分な水分を排出することが大切です。

黒タイプの人

黒タイプは臆病な性格の人が多い傾向があります。体力がなく疲れやすいため、たっぷり眠って心も身体もしっかり休めることが最優先です。

40代半ばを過ぎて更年期にさしかかると、黒タイプの症状に近づいていきます。30代で黒タイプと診断された人は、不摂生や過労のために若さの源であるホルモンが枯渇しているか、先天的に弱い可能性があります。

肌がカサつきがちなので保湿クリームでうるおいを補い腎臓のある腰のあたりを温めることも大切です。

自分を知り、生き方を変えると、身体も変わる

いかがでしたか?「セルフチェックでここまでわかるのか!」と驚かれることも多いのですが、それだけ、私たちの心と身体は密接に関係しあっていることの現れとも言えるでしょう。

自分のことを客観的に知ることは、好ましくない習慣を正す絶好のチャンスです。色のタイプは一生変わらないものではありませんから、ここに書かれていることを心にとめて生活していると、色タイプの診断も変わっていきます。