あなたは健康や美容のために、どれほどの時間やお金、エネルギーを注いでいるでしょうか?

健康や美容に対するスタンスは人によって千差万別で、毎月、数万円単位でお金を使ったり、常に最新情報を集めていたり、日頃から健康や美容を念頭においた生活習慣を心がけている人もいるでしょう。「健康のためなら死んでもいい」という笑えない冗談を地で行くような方もいらっしゃるかもしれません。

いっぽうで、健康や美容に対して全く無頓着だと言う方もいます。

では、この両者を比べたとき、美容や健康に時間とお金をかけている人が、そうでない人に比べて健康で長生きしたり、美しく若々しいか?というと必ずしもそうではなかったりします。

なぜ、このようなことが起きてくるのでしょうか?それは、その人が本来持って生まれた“体質”だけの問題なのでしょうか?

重要なのは、その行動の裏にある前提

健康や美容のためにどれだけの時間とお金をかけてきたか?持って生まれた体質はどうか?ということ以上に重要なのは、健康や美容のための行動の裏にある「心理的な前提」にあると私は考えています。

例えば女性にとって、自分のスキンケアに使う時間は、自分自身に耽溺できる癒しタイムとも言えますよね。このスキンケアという行動に、どのような心理的な前提がついているかによって、その人の内面から湧き出てくる美しさに大きな違いが出てくるのです。

なぜ、あなたは毎日時間とお金をかけてスキンケアをするのですか?

その答えの奥にある心理的な前提に「私は自分で自分の価値を認められない。だから、美しくなって周囲に認めてもらわないといけない」という想いがあれば、その前提から生まれる行動の結果は、どのようなものになるでしょうか。

おそらくどれだけスキンケアにお金と時間を注いだとしても、周囲の目には、その人は美しいと映らないでしょう。これは、スキンケアという行動をとればとるほど「私は自分で自分の価値を認められない」という前提を強化してしまうからです。

このとき、スキンケアという行動は「自分のコンプレックスに対する恐れ」から生まれています。人が恐れから何かの行動を取るとき、どれだけその行動を取っても恐れが解消されることはなく、逆に、行動を取れば取るほど恐れは強化されてしまいます。高額なスキンケア製品を使っているにも関わらず、肌荒れを起こしている女性には、このような心理的背景が隠れていることが珍しくありません。

いっぽうで「私は自分のことを大切に扱う。そのためにスキンケアをする」という前提から生まれる行動であれば、それがたとえ数分の時間だったり、高額なスキンケア製品を使ったりしなくても、その人の内面からの美しさが周囲の人を惹きつけることになるでしょう。自分で自分のことを大切にしていれば、周囲の人からも大切にされますから、その美しさはますます輝きを増していくはずです。

現実にもっとも強く影響するのは、目に見えている行動や、そのために使った金額やエネルギーの多寡ではありません。その行動の奥で「自分自身が本当は、どんな心理的前提を抱えているか?」です。

もしもあなたが今、健康や美容のための努力を続けているにも関わらず、期待する変化が得られていないと感じるなら、その行動の奥にどんな心理的な前提があったのか?に目を向けてみると、”本当の原因”に気づくことができるかもしれません。