アトピー性皮膚炎は、精神的ストレスが大きくなると症状も確実に悪化しますし、皮膚の病気には様々なストレスが原因になっているものがたくさんあります。
とはいえ、社会生活を営む上では、人は、ストレスゼロの状態では生きることはできません。
ストレスの”本当の原因”はどこにある?
例えば「同じ職場のAさんにストレスを感じる」と認識している人がいたとします。この場合、ストレスを避けるために転職しても、また新しい職場で「Bさんにストレスを感じる」状況が生まれることは、よくある話です。逆に、このAさんと全く同じ環境の中にあっても、ストレスを感じない人もいます。
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?
それは「ストレスを感じることの本当の原因」は、他者や環境にあるのではなく、自分の中にあるからです。
つまり、ストレスを軽減するためには、ストレスを感じていた対象を避けるよりも「どうして私は、その対象や状況にストレスを感じていたのか?」と言う、自分自身の内面にある原因に向き合うことが重要になってくるのです。
すると例えば「他者基準」の生き方をしていたために、他人の言動に敏感になり、ストレスを感じてしまっていた。なぜ他者基準になっていたかというと、自分で自分のありのままを肯定していなかったから・・・などのような“本当の原因”に気づくこともできるでしょう。
ストレスを感じていた体験を、自分の生き方を見つめ直すきっかけにできれば、それはむしろ感謝できる体験に変わるのかもしれません。
ストレスは美肌作りや健康に役立つ
私たちが日々、感じるストレスは精神的なものだけでなく、外出すれば紫外線や排気ガスなど肌に負担をかけるストレス要因が渦巻いています。
であるならば、むやみにストレスを避けようと躍起になるよりも、ストレスと上手に付き合ったり、むしろ「ストレスを利用する」というスタンスで生きていった方が楽に生きられるのではないでしょうか。
この「ストレスを利用する」という態度は荒唐無稽なものではなく、実は美肌づくりにおいても、ストレスがゼロの状態より、適度なストレスがかかった方が良かったりもします。
ストレスを受け、多少のトラブルを起こしながらも、それを乗り越えていくことの繰り返しによって肌が活性化し、美肌力が磨かれるからです。体の中でトラブルを起こしながらもかろうじて保たれているバランスをいったん崩して再構築することで、さまざまなホルモンが活性化していきます。
例えば「オゾン療法」という治療法なんかも、オゾンはそもそも身体を酸化させる有害な物質ですが、そのオゾンを逆利用して身体を活性化させていけることを利用したものです。
適度なストレスは健康にもプラスに作用することが、近年の研究で明らかになっています。例えば「適度なストレスは記憶力の向上に役立つ」というカリフォルニア大学の研究結果もあるようです。
「それを悪いものと決めること」が問題を創り出す
つまり、ストレスにも良い面・悪い面があり、一概に「悪いもの」と決めることはできないということです。
ところが「ストレスは健康や美容の大敵」と信じこんでしまうと、ストレスを感じている状況に対して「今、悪いことが起きている」と認識することになり、その認識がさらに健康や美容に悪影響をもたらしていきます。つまり、ストレスそのものが問題なのではなく、「ストレスが悪いものだと決めていること」が問題を創り出してしまうのです。
私たちは「ストレスは悪いもの」と決めることもできますし、一方で「ストレスとは、自分が本来持つ力を引き出してくれる刺激となるもの」「チャレンジのプロセスで経験するもの」「自分の生き方を見つめ直すきっかけ」と意味をつけることも可能です。自分自身がその体験をどう解釈するか?で、その体験からもたらされる結果はまったく違ったものになっていきます。
この世界には「絶対的に悪いもの」など本来は存在しないのかもしれません。「それを悪いものと決めてしまうこと」が問題を作り出していることに気づけると、感謝できることしか起こらない世界が広がっていきます。