「どこの病院もやぶ医者ばっかり!」
「今のクリニックではよくならない。もっといい病院を探そう」
「今のドクターより、ネットに出ているこっちのドクターの方がよさそう」

そんなふうに医療機関を次々に変えたり、同時にいくつもの医療機関を受診することを、俗に「ドクターショッピング」とか「青い鳥症候群」といいます。

これは、悩みの解決策を求めてカウンセラーやセミナーを渡り歩く「カウンセラージプシー」「セミナージプシー」と呼ばれる人々と心理的には共通しています。

もちろん、医療機関やカウンセラーといったサービスには相性もありますから、いろんな専門家と出会い、自分に合う相手を見つけていくことは必要でしょう。医師の診断やカウンセラーの見立ても千差万別ですし、セカンドオピニオン、サードオピニオンとしての診断を仰ぐことも大切なことです。

しかし結局のところ、「誰かにこの困った状況を解決してもらおう」と自分の外に答えを探し求める限り、青い鳥症候群をやめることは難しくなってしまいます。

青い鳥症候群をやめるには、生き方を自分で変えていくしかない

青い鳥症候群をやめるために必要なこと。それは、「答えを外に求めることをやめる」「自分の”問題”を、誰かに解決してもらおうとするのをやめる」ということです。

専門家のサポートや助言を受けることが悪いこと、と言いたいのではありません。

本当の答えは、自分自身の中にしかなく、その自分の中にある答えにたどり着くためには、その”問題”を創り出した自分自身の生き方に向き合うしかないということです。

青い鳥症候群の人は、”問題”を創り出した自分自身の生き方に向き合うということをせずに、受け身で、お金を払って専門家になんとかしてもらおうとします。そして「誰に相談しても、期待通りの結果が得られない」「誰も私を助けてくれない」ということを繰り返してしまうのです。

専門家はあくまでもサポートであり、その”問題”を解決していく主体はクライアントさん自身です。クライアントは専門家に「助けてもらう」立場ではなく、専門家を「利用する」立場です。この主-従関係を自分の中で逆転させてしまうとうまくいきません。

自分の生き方を見つめ直し、生き方を変えていくということは、大きなエネルギーが必要です。多くの場合、”問題”を創り出した自分の中の根本原因は、「見たくない自分」であることも少なくありませんし、現状がどんなに不快なものであっても、人間にとって現状維持は一番ラクだったりもします。

しかし、今の生き方を自分で変えていかなければ、今、目の前にある”問題”や症状は変わらないばかりか、また別の形で新たな”問題”や症状が現れる可能性も出てきます。

今の悩みが深ければ深いほど、それは”本当の自分”が「そろそろ本気で生き方を変えていく時だよ。気づいてね!」と伝えようとしているのかもしれません。

ひとりの専門家とじっくりとコミュニケーションを取り、継続的に変化をモニターしてもらいながら、自分の身体に対して主体的に治療を続けていくことが、結果的に時間もお金も無駄にせずにすむ可能性も高くなります。