病気とは、“本当の自分”からのメッセージである。

先日の投稿でそうお伝えしたところ、「そのメッセージを読み解く方法を、もっと詳しく教えて欲しい」というご質問をいただきました。

参考記事:病気は“本当の自分”からのメッセージである

そこで今日は、病気を通して伝えられる”本当の自分”からのメッセージを読み解くための簡単なワークをご紹介したいと思います。

このワークは、【症状を出している人】と【インタビュアー】の2人一組で行うもので、「その症状を通して、“本当の自分”何を表現したかったのか?」を知るのにとても効果的です。

信頼のおけるご家族や恋人、ご友人などと一緒にやってみてください。

《病気からのメッセージに気づくためのワーク》
①症状が現れている人(Aさん)とインタビュアーの2人1組で行う。
②Aさんの症状を擬人化して、名前をつける。
例)かゆみが症状の場合、そのかゆみに「Bさん」と名付ける。
③症状が現れている人(Aさん)が、症状そのもの(Bさん)になりきる。
④インタビュアーはBさん(になりきっているAさん)に想いを聞いていく。
質問の例)

  • 「今、どんな気持ちですか?」
  • 「誰かに、言いたいのに言っていないことはありますか?」
  • 「誰かに、隠していることはありますか?」
  • 「今、我慢していることはありますか?」

※上記の質問は、「実家の母親と話している時」「会社の上司と話している時」など、場面や相手を特定していくと、より答えが引き出しやすくなります。

ワークの実践例:「肌がかゆくてたまらない」というAさん
“かゆみ”になりきったAさんに「今、どんな気持ちですか?」と聞いていくと、「私はすっごい暴れん坊!暴れたい!太鼓をばんばんたたきたい!」という答えが返ってきました。

Aさんはふだん、おっとりしたタイプの方に見えるのですが、かゆみになりきった途端、ガキ大将のような暴れん坊の本性が顔を出してきたのです。

その後、A子さんは実際に太鼓の練習をはじめ、思う存分太鼓をたたいてうっぷんを発散、スッキリと快適な毎日を送っています。

 
社会生活を営むうえで、私たちは、言いたいことを飲み込んだり、「こうあるべき」「こうあってはならない」と言うルールで自分を縛ってしまうことをやってしまいがちです。そのようなルールは、「小さい頃に親から言われていた言葉」や「社会常識」を無自覚に受け入れたもので、本当の自分の想いではありません。

そういった「他人が決めたルール」に、自分でも気づかないうちに縛られてしまうと、本当の自分の生き方からズレてしまいやすくなります。

時と場合によってはこのような”他者基準のルール”に合わせることが必要な場面もありますが、いずれにしても、「自分がどのようなルールやパターンで動いているか?」に気づいておくことはとても大切です。気づいてさえいれば、知らないうちに振り回されるということがなくなり、自分で主体的に選べるようになるからです。

人は、口で言えないことを身体で表現する

「人は、口で言えないことを身体で表現する」とは、私の心理技術の師・梯谷幸司さんの言葉ですが、これは、他者基準のルールで自分を縛り、本当の想いを表現できなくなったりすると、それが身体症状として表現されることを意味します。

私も医者として多くの患者さんにお会いし、心理的なアプローチを実践してきた経験上、この言葉には深く頷けるところがあります。

だからこそ、“本当の自分”は何を言いたいのか?何を隠しているのか?に丁寧に耳を傾けることが重要なのです。

“本当の自分”の想いを聞くことができれば、次のステップとして、その想いをちゃんと口で言ったり、諦めていたことを実行する現実的な折り合いをつけていくなど、病気とは別の表現方法を選べるようになります。

単に症状だけを見て、薬を使って黙らせようとすることは、“本当の自分”からのメッセージを無視して口を塞ぐようなものです。

もしもあなたが身体症状にお悩みなら、今日ご紹介したワークをぜひ試してみていただき、”本当の自分”からのメッセージに気づくきっかけにしていただけると嬉しく思います。